恥ずかしくなって、
両手で頬を覆って縮こまっていると、突然話し掛けられて慌てて返事をする。
「…あんたさ、あの時のこと、覚えてる?」
「あの時、って?」
「…中学の卒業式」
…あ。
それって……
「…もちろん、覚えてるよ」
忘れるわけがない。
だって、白馬くんと初めて言葉を交わした日だもん。
柔らかく微笑んでそう答えると、白馬くんは意外そうな顔をした。
「忘れてるかと思った」
「ふふっ、忘れるわけないよ」
って、いうか。
忘れられるわけがない。
女の子たちに追いかけ回されてた白馬くんと、私がぶつかっちゃって。
なりゆきで助けちゃったんだよね。
なんだか、今思えば、少女マンガみたいな出会いだな〜って思うよ。
今じゃ、当然のように白馬くんが目の前にいるけれど。