クール王子なキミは許嫁!?





頰が優しい暖かさにつつまれ、

触れた部分から全身へと、熱が伝っていく。



その熱が暖かさからなのか、周りの人の視線を感じてなのかはわからない。




だけど、私も白馬くんも。

恥ずかしい思いをしていることに違いはない。




「……ごめんね、白馬くん」




なんだかいたたまれない気持ちになって、思わず謝罪の言葉を口にする。



今のこの状態のこともそうだけど。

白馬くんにはたくさん気を使わせてしまった。



私から誘っておいて、嫌な思いをさせてしまったかもしれないなんて、

そんなの申し訳がつかない。




「………」




しばらくの沈黙が続く。



何も言えないでいると、突然後頭部に衝撃が走った。


まるで、指で弾かれたみたいな。




「……え、なに?」


「…別に、いいんじゃない?」