「……どうかしたの?」
「飲み物でも、買ってくる」
そう言うと、私を一瞥して人混みの中へと紛れて行ってしまった。
その場に残された私は、しばらくポカーンとする。
……気づかってくれたんだよね。
私が勝手に空回りして、勝手に自爆…しただけなのに。
それなのに、嫌な顔なんて全くせずに、私を気づかってくれる白馬くんは
本当に優しい人だ。
……今だけ甘えちゃってもいいかな?
そう思った私は、ベンチにゴロンと横になった。
さっきまで白馬くんが座っていたその場所は、ほんのりと暖かくて、優しくて。
なぜだかその暖かさに安心した私は、そのまま目を閉じた──…。

