5月某日。


とうとうやってきたお見合いの日。



まぁ、お見合いって言うより、ただの顔合わせって感じなんだけどね。




私はお父様が雇っているメイドさん達が用意してくれたドレスに着替える。



淡いピンク色でリボンがついていて、

裾はフリフリしていてすごく可愛い。


……少し丈が短い気もするけど。




「…よしっ!」




部屋にある鏡の前で、クルリと一回転してみる。



ドレスはパーティーの時にしか着ないから、少し緊張…。




──コンコン


『友愛、入るぞ。』




ふいに部屋の扉を叩く音と、お父様の声が聞こえた。




「あ、はい! どうぞ!」




慌ててそう答えると、扉がゆっくりと開かれ、

スーツ姿のお父様が入ってくる。




「準備はできているみたいだな。

もうすぐ時間だ。早く車に乗り込め」


「はい。すぐ参ります」