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「……わぁ、懐かしい…」
電車を乗り継いでたどり着いた場所は、
小さい頃に家族でよく遊びに来たことがあった遊園地。
ここでお兄ちゃんと迷子になったことがあったっけ。
なんてことも、今じゃ遠い昔のことのようで、懐かしく思える。
「白馬くんはここ、来たことある?」
「…ない」
「へぇ〜」と呟きながら、となりの白馬くんを見上げる。
……なんか意外かも。
芳穂さんって遊園地とか好きそうなのに。
「他の遊園地にも行ったりしないの?」
「…アイツらと、出かけたことすらないから」
「……え?」
そう言った白馬くんの瞳は、なんだか哀しげに揺れていて。
『これ以上踏み込んでくるな』って言われているみたいだった。
「……そ、そうなんだ…」

