……だって、彼は

たくさんの女の子に囲まれていたから。



でも、白馬くんはその中心で、我関せずといった感じで、

スマホに目をやっている。




あ、あれって…逆ナンってやつだよね?


私、あの中に入っていく勇気なんかないよ……。



どうしよう……と、像の後ろで、周りの人に白い目で見られながらも、

頭を悩ませていると。




「……なにしてるの?」


「……ほぇ?」




突然、後ろから声がしたことに驚いて、声の主を見上げる。



すると、いつの間に女の子の輪の中から抜けてきたのか、

ムスッと不機嫌そうな表情を浮かべた白馬くんが立っていた。




「……え、あれ、えっ!?」


「……なに」




さっきまで白馬くんがいた場所と、白馬くんを交互に見て慌てていると、

さらに表情を歪める。



……な、なんか、怒ってる……?