ツッコミなんて入れてる場合じゃなかった。
私は腕に抱えているモノをギュッと握りしめて、白馬くんの元へ駆け寄る。
「…………これ…っ!」
「なに?」
白馬くんは、私が差し出したそれを不思議そうにしながらも受け取り、
特に疑う様子もなく開く。
「……は、」
一言声を漏らしたかと思うと、今度は目を見開いてそれを見る白馬くん。
私はそんな白馬くんを見て、体温が急上昇していくのがわかった。
芳穂さん…どうして私に渡したんですか!?
私から誘うなんてハードルが高すぎるよ……。
「……えっと、えっと、あの…」
話さなきゃ…!
そう思ってるはずなのに、ドキドキと緊張が邪魔をして、思わずどもってしまう。
「……これ、なに?」
思いっきりきょどりまくってる私とは反して、白馬くんは至って冷静に尋ねてくる。

