しーんとした静寂に包まれる教室内。
時々耳に入るのは、白馬くんが本のページをめくる音だけ。
私も白馬くんもお互い言葉を発しようとはせず、ただただいたずらに時間だけが過ぎて行く。
ちゃんと話さなきゃいけない。
そう思ってるのに、喉が張り付いてしまったかのように、声を出すことが叶わない。
それもこれも、異常なほど脈を打つこの心臓のせいだ!
「………なんでここに来たわけ?」
パタン、という本を閉じる音と共に聞こえた声に、無意識の内に下げていた頭を持ち上げる。
そこには、相変わらずの無表情で私に視線を向ける白馬くんがいた。
「…あ、えっと。ここに白馬くんがいるって、奥本くんに聞いて……」
「ふーん。」
聞いておいて興味なしなんですか…!?
「………で、なんの用?」
「………ぅ、あ!」

