「……あの、その、えっと…っ」
「ははっ、わかってるから。ちょっと落ち着いて」
奥本くんになだめられて、嘆息。
焦りすぎだよ、私。…恥ずかしい。
「…まぁ、そういうことなら、早く行きなよ。
白馬のこと、誘うんだろ?」
「……えっ? あ、うん……」
本題を忘れかけていた。
私、これから白馬くんを誘いに行くんだったよ。
「じゃあね。」と奥本くんに手を振って、第二講義室がある方向に足を向ける。
「……あ、」
「ん? どした?」
あることを思い出して、歩む足を止め、奥本くんを振り返る。
「あのね、時間があれば佳菜美ちゃんと話しててくれないかな?
今、一人で食べてると思うから…」
私の勝手な見解かもしれないけど、一人で食べるのは寂しいしね。

