「ふは、そんな驚く?」
「……だ、だって!」
確かに2人ともカッコいいけど、
タイプが違いすぎるって言うか……。
まぁ、兄弟じゃないんだし、似てなくて当たり前なんだろうけど。
「ま、意外って言われることはよくあるけどさ。
…それで、それなに?」
教室の扉にもたれかかり、私の腕の中のものを指差す奥本くん。
「あ、これね、芳穂さんに貰ったの。
遊園地の特別招待券!」
便箋の中からそれを取り出して、奥本くんに見せる。
すると、それをじーっと見ていたかと思うと、
何かを察したのか、ニヤリと微笑む。
あ、その笑い方も芳穂さんに似てる。
「……へぇ。なんか…デート、みたいじゃない?」
“デート”。
その単語に、思わずどきりとする。
わかってはいたことだけど、改めて人に言われると緊張するっていうか…。

