「……よしっ、じゃあ行ってくるね、佳菜美ちゃん!」
「頑張るのよ〜。私は先にお弁当食べてるけどね」
気合を入れて、ガタンと席を立つ私をよそに、
お弁当箱の蓋を開けて、「いただきます」と手を合わせ、それを食べ始める佳菜美ちゃん。
うぅ……私だってお腹空いてるのに……。
ううん。でも、こっちの方が先決。
今私が腕に抱えているのは、白い便箋。
昨日、芳穂さんに貰った遊園地の特別招待券が入っているものだ。
正直、白馬くんと一緒に遊園地に行けるなんて思ってない。
多分人混みとか苦手そうだし…。
だけど、せっかく芳穂さんの好意でいただいたものを、
何もせず返すなんて私には出来なくて。
佳菜美ちゃんに相談してみたところ、
「話すだけでもしてみたら?」と言われ、今に至る。