「…でも、そっかそっか。あの子も奥手だからな〜…」
んー、と伸びをしながら、白馬くんのことを口にする芳穂さん。
その言葉に思わず反応してしまったのは言うまでもなく。
胸が兎のようにピョンッと跳ね上がる。
どうして白馬くんの話題に、ここまで過剰反応してしまうのかはわからないけど。
「…そこで! 今日は“あるもの”を持って来たの♪」
「あるもの? …なんですか?」
そう首を傾げながら尋ねると、ふふふ…と含みのある笑みで鞄の中をガサゴソと弄る。
…その笑み、なんだか怖いです……。
てれれてってれー!
という効果音が似合いそうな程、腕を振り上げて鞄から取り出したもの。
それは、白い…便箋?
「それ、なんですか? 手紙?」
「ううん。開けてみて?」
目の前の机の上に便箋を置くと、私に開けるようにと促す。

