「…あーぁ。親父と勘違いされるとか、俺老けたかなぁ……まだ高3なのに」
両手で顔を覆って、しくしくと泣き真似をして見せるお兄ちゃん。
そりゃぁ…悪かったとは思うけど……
あまりにもそっくりなんだもん。
何て言うんだろ……例えるなら、
ダンディー、な感じかな?
言ったら拗ねられそうだから口には出さないけどね。
「それより、今日はやたらと早い起床だなー。
雪でも降るんじゃないか?」
泣き真似をしていたかと思うと、今度はニヤニヤしながら私を見る。
切り替え早いなー、と思うのと同時に、むぅと唇を尖らせる私。
「…ひどい、お兄ちゃん! 天候なんて操れるわけないでしょ!」
「…え、怒るとこそこ?」
だいたい、今は6月なんだから、降るなら雪じゃなくて雨だよ。
「…まぁ、それはいいとして、何か用事か?」