「ふーん…なるほどねぇ…」
「じゃあ…」と、私の前の森田くんの席に座ってこちらを振り返る佳菜美ちゃん。
「友愛の思う王子様っていうのは、どんな人なのよ?」
うーん……?
私の思う王子様、かぁ……。
絵本で見たことのある王子様は、
優しくて、誰よりもお姫様を一途に思っていて……
「…白馬に乗って迎えに来てくれる人?」
「ダメだこりゃ……」
やれやれ、と佳菜美ちゃんは肩をすくめる。
それを見てむっとする私。
王子様といえば白馬じゃないの?
「御之くんおはよう!」
「今日もかっこいい〜!!」
白馬くんが教室に入ってきたのか、みんなが口々に話しかける。
当の本人である白馬くんは、いつも無視だけど…。
それを見てみんなは「クールでかっこいい!」って。
これもお決まりのこと。

