私の頬に片手を添えて、私をじっと見る白馬くんの目は
怒りの中に、哀しさが見え隠れするような…
そんな目をしている。
「……俺がいつ嫌だって言ったの?」
「……へ?」
私の頬から手を離すと、その手で照れ臭そうに頭をかく白馬くん。
「…だから、俺、嫌とか言ってないよねって言ってるの。」
私を真っ直ぐ見て話す目は真剣そのもので、嘘をついているようには見えなかった。
「…で、でも、私子供っぽいし…!」
それでも白馬くんみたいな人が、
嫌じゃないって言ってくれてることが信じられなくて
自分の欠点を言葉に出して並べていく。
自分で言ってるくせに、私って欠点だらけだなぁなんて考えて悲しくなる。
それでも白馬くんは「そんなの関係ないと思うけど」って。
その時、私は初めて、彼の無愛想な裏にある優しさに触れた気がした。

