「ねぇ、どこまで行くの?」
白馬くんの不機嫌ともとれる声を背に受けて、
階段下の小さなスペースまで来て歩む足を止めた。
勝手に連れ出したから、怒っちゃったかな……?
びくびくしながら、恐る恐る白馬くんを見上げる。
「いきなりなんなの?」
そのあまりの無表情さに、思わず何かが込み上げてきそうになったけど
唇を噛みしめることによってそれをせき止めた。
ちゃんと話さないと…だよね。
「…っ、あ、あの!」
意を決して話そうとするけど、
白馬くんの相変わらずの無表情に思わず言葉が詰まる。
「…用がないなら行ってい?」
呆れたようにため息をついて、くるっと踵を返して去って行こうとする。
だ、だめ……
まだ本題話してないのに…!