クール王子なキミは許嫁!?





…なんか俺、変態みたいなんだけど。




「…あ、あの……」




女のくぐもった声がして、慌てて身体を離す。



ってか、ちっさ……。

屈まないと顔も見えないくらいなんだけど。



その女の頭上を見つめていると、視線を感じたのか

バッと俺を見上げるそいつ。




俺と目が合うと、みるみるうちに青ざめていくその顔。


…なにその反応。




俺、あんたになんかした覚えないんだけど

ってか、初対面だよね?




いろいろ言いたい事はあったけど、今にも泣き出しそうで。


泣かれると面倒だからやめておいた。




「…なに?」




一言疑問の声を漏らすと、びくっと肩を震わせる。



…ほんとなんなの。




「…あの…っ、ごめんなさい…

ケガ…とか、してませんか?」