「す、好きです! 付き合ってください!」
「無理。」
女は、めんどくさい。
人の外見だけ見て近付いてくるし、
…場所とか考えないし。
今だって、ほら。
人が大勢いる廊下で、所構わず告白して
きた。
……泣かれたって困るものは困る。
どうせあれでしょ?
俺の外見と、家柄しか見てないんだろうね。
そんなよく分からない女から「付き合って」って言われて、
「いいよ」って言う男がいるわけがない。
…もし、どこかにいたとしても
俺はそんな軽い男じゃないから。
あー…朝から気分が悪い。
「…ったく、相変わらず冷たい奴だなー」
後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「…悪い?」
振り向かずにそう言えば、俺の横に駆け寄ってくるそいつ。