「はぁ…なんか疲れたぁ…」
帰って来るなり、自分の部屋のベッドにぼふっとダイブする。
あの後、「そろそろ帰りましょうか」と言う芳穂さんの言葉で
お見合いはお開きになり。
レストランを後にした私とお父様は、迎えに来てくれていた車に乗り込み
家まで帰って来た。
「……許嫁、かぁ…」
誰もいない部屋で小さく呟く。
ふと白馬くんの顔を思い浮かべてみる。
今日見た白馬くんの色んな表情は、
学校では見たことのないようなものばかり…
何だか、私だけが知っているみたいで少し嬉しい…なんて。
──御之ってさ、何かあんたにだけは態度違くない?
この前、佳菜美ちゃんに言われたことを思い出す。
「…あ、もしかして!」