「…いい、な…ず……け?」
“許嫁”ってアレだよね?
マンガとかドラマとかであるアレだよね?
……そんなまさか。
白馬くんを見てみると、目を大きく見開いて驚いているみたい。
白馬くんも何も聞かされてなかったんだ……。
声に出さないなんて、驚き方までクール……
じゃなくて!
私は白馬くんの隣に座っている芳穂さんを見る。
頬に片手を添え、ニコニコと微笑み、喜んでいるように見える。
…どうやら、嘘ではないらしい。
「友愛ちゃん、これからは私のこと
お義母さんって呼んでくれてもいいのよ?」
そんな風に嬉しそうに話す芳穗さんを見て、
「あはは…」と苦笑いで返すしかない私だった。

