私もお父様も静かにその人の後をついて行く。
レストランの中は、清潔感が溢れていておしゃれで…
とても落ち着いた店内だった。
「あちらで御之様がお待ちです」
「ごゆっくりどうぞ」と一礼して去って行く従業員さん。
従業員さんに言われた方をみてみると。
スーツを着た私と同い年くらいの男の子と、
赤を基調とし、至る所に宝石を散りばめた…
そんな華美なドレスを着た綺麗な人が座っている。
うーん…遠目でもわかるほど、キラキラ輝いてます……。
でも、あれ…?
あの男の子、どこかで会ったことがあるような……?
「あ、賢一さん! こちらですよ!」
綺麗な人が私たちに気づいて手招きしてくれる。
賢一《ケンイチ》と言うのは私のお父様の名前。
……名前で呼ぶほどの仲になってたんだ。
「おぉ、芳穂さん! 遅くなって申し訳わけありません。」

