「俺はお前と違って自分で動けるほどの権力も地位も持ってない。でも周りには恵まれていたからこそ出来たことだった」
「……」
「一橋組自体はばあちゃんが、馬酔木組が動いてくれた」
「……」
「一橋リキは元々悪名高い奴だったから、マサや吹雪にアイツが今までした悪事や、アイツを恨んでるやつを徹底して探してもらった。若者の夜の世界はアイツらほど詳しいやついないし」
「……」
「犯罪レベルを何回も繰り返してる奴だったし、集めた証拠は順平に頼んで警察の上層部に簡単に通せた。罪も重くなるだろう、そして当分は陽の目を浴びないだろうって事で捕まってる」
「……」
「なんて事はしてない。今までの悪事が積み重なっただけだよ」
そっか。
…で、片付けられるほどの事じゃないとは思うけど、もう結衣を狙う奴はいないんだと思うと、それだけで安心する。
