なんでいつも南雲くんは、あたしの予想をはるかに超えちゃうんだろう。 「俺は、君が自由になれるまで、手を離さないから」 背後へと振り返り、南雲くんのまっすぐな瞳があたしを貫く。 ドキっと、する。 ほんと、ずるい。 なんでこんなにも、あたしをドキドキさせちゃうの。 「俺に堕ちてみなよ」 ーーーあぁ、ほんと、ずるい。 後夜祭最後の花火が輝く。 この先に待っているのは、夢か幻か。