「あ、チャイムなったよ?
行こう、禀ちゃん!」


まだ目にたまった涙をゴシッとふいて予鈴が鳴ったことを知らせる。


だけど禀ちゃんは「莉李亜が狼どもに食べられないようにしないと……」
などとぶつぶつ言っていた。


もうっ……



「ほらほら禀ちゃー ん!
学校に狼さんはいないから大丈夫だよ!」


と言ってグイグイ引っ張り教室に入った



ふーっ、なんとか間に合った。次の先生怒ると怖いんだ。



ふと、陸の席に目を向けるとまだ陸は女の子に囲まれて優しい顔で笑い合っいた。


ズキ……

心臓が嫌な音を立てる。



そんな私に気づいたのか、禀ちゃんが怒って言った。