裏切り部屋



「どうしよう…」


『この店は完全注文制になっております。メニューを選んで注文して頂かない限り、お客様を店から出す訳にはいきません。』


みんなが焦ってる中、スピーカーは淡々と話しを続ける。


「注文しない限り…帰れない…」


「……」


みんなは黙り込む。


「じゃあもう注文しようよ」


この沈黙の中、最初に口を開いたのは紗理奈だった。


「え…でも、ここ…高そうだよ?」


南が言う。


「……だって注文しなきゃ帰れないんなら注文すれば良くない?」


紗理奈がダルそうに答える。