Schneehase~雪うさぎ 身代わり王子にご用心番外編




振り向いた雪菜は私へこう告げた。


「私ね……正直、あの時。生きてる意味なんて見出だせなかったの」


その表情は落ちついてはいるが、なぜか泣きそうに見えて。私は思わず彼女の肩に手を回した。


「雪菜」

「……大丈夫、今はね。だけど……アルベルトと出逢ったばかりの私は本当に子どもだった。
“自分は親から捨てられた人間。可哀想だ”って自分を哀れんでいただけ。自分は同情されたり優しくされるのが当たり前で、なにかされることばかり期待してた。自分から何かをすることもしなかった癖に。○○してもらって当然って思い込んでたの。
なのにみんな優しくないし、酷いことしかしないから嫌いだって、人との関わりを自分から切って、“あんたたちが間違ってる”“冷たい人間しかいない”“私はこんなに可哀想なのに”“あたしはこんなに不幸なのに”って。何の努力もせずひねくれて、世の中に斜に見てたただけ。自分は何もしないくせに、他人に勝手に期待して勝手に失望してた、ただの子ども……だから、あなたに甘えちゃいけないと思った。
それまで甘く過ごしてきた分、人並み以上に苦労して学ばなきゃ、人並みにすらなれないって。それは間違ってないって今も思う」


長い間明かさなかった想いを吐露した雪菜は、フッと小さく息を吐いた。


「あなたに偉そうに説教できるほど出来た人間じゃなかったのに、何様って感じだったよね」