私が慌ててそう雪菜に告げた後、急いで会計を済ませ彼女を連れて店を出れば。呆気に取られた彼女に盛大に笑われた。
「あははは! 相変わらず面白いな、あんたは。マジでそう考えてるんだもんな~」
雪菜は喫茶店の駐車場で腹を抱えながら、ああ可笑しいと涙を流してる。何をそんなに笑う要素があったのか、私には皆目見当がつかない。
彼女に哀れみの目を向けられたままバンバン、と肩を叩かれるのが妙に腹立たしくはあった。
「あんた、相変わらずだね。ま、昼飯食うならあたしが作ってやるよ! コーヒーおごって貰った礼だ。ほら、行くぞ」
どうしてか雪菜に背中を押され、私は隣接するスーパーの店内へと足を踏み入れた。かつてカイ王子が働いていたそこは、私も何度か入ったことはあるが客としてではない。
雪菜は慣れた様子でカートを私の前に突き出した。
「ほれ、レディーファーストだ。あんたが押す! 力仕事くらいしなよ」
「はあ」
言われるまま黄色い取っ手のグレー色のカート持てば、雪菜はそれにかごを1つ載せた。
「アレルギーは乳製品がダメだったよな? なら、魚は?」
「それ以外なら大丈夫だ」
「そっか。なら、あたしに任せな」
雪菜はカートを押す私を従えつつ、あちこちの売り場に寄って材料を見繕う。サーモンと小麦粉……バターは駄目かとマーガリン。 野菜を幾つか……魚介類にコンソメ。
好きな飲み物を訊かれたが、ふと何だろうと考えて。特にないと答えたら、変な顔をされた。



