1年前にはあれだけ突き放して排除しようとしながら、今から話そうとする内容は、我ながら虫がいい話だと呆れるばかりだ。
だが、今の私ではあまりに手持ちの札が少ない。独自の伝はあるにはあるが、女性関連はばっさりと切り捨ててきたため、見事な迄に頼れる者がいないのだ。
私だとてきちんと仕事をした者ならば、性別に関係なくちゃんと評価をする。それに頼れると判断したならば、多少の繋がりを持つように仕向けた。
だが、なぜか日本滞在中に関わった女性は皆私へ色艶めいた目を向けてきた。誘惑されたことも一度や二度ではない。
自分の容姿が特段に優れていると自惚れるつもりはないが、やはりゲルマン系の造形やプラチナブロンドにグリーン系の瞳は特別に映るのだろうか。
よく“トップモデルみたい”との賛辞をほとんどの女性が口にする。そして、うっとりした目で私を見るのだ。
それをしなかったのは、マリア嬢とこの女性と……そして、雪菜くらいだ。
見た目だけでこちらを評さなかった貴重な人間。今更ながら、カイ王子の人を見る目の確かさに唸るしかない。今だとて、ファミレスに来た桃花は居心地が悪そうに身動ぎをしていた。
「お腹は空いてますでしょう?お好きなものをオーダーしてください。支払いはこちらがいたしますから」
「い、いいえ! わたしが……自分の分はちゃんと払います。それに、調理実習で食べてますから」
緊張した顔つきながらもしっかりと主張した彼女は、オーダーしたのがアイスティーのみで。やはり、質素な生活を心がけているらしい。それに、理由なく奢られるのが嫌いなのもカイ王子と同じで。笑いたくなるくらい2人は似ていた。



