Schneehase~雪うさぎ 身代わり王子にご用心番外編




ベルンハルト城へ戻る車中。スマホでToDoリストをチェックしながら、私は先ほどの両親との会話を思い出す。


あれは明らかに失敗だった。いつもならばもっと冷静に物事を運べた筈なのに、感情的な物言いで自ら話を打ち切ってしまうとは。


ムキになったと言われても否定は出来ない。信心深く教養も深い両親に人種に拘りはない方ではあるが、やはり子どもの伴侶となる者の出身地には一際神経を尖らせるものらしい。明らかによい反応ではなかったから、ついつい反発めいたことをしてしまった。


(私も同じはずだったのだが……カイ王子に毒されたのか?)


私も別に出身地をどうこう言うつもりはない。人となりや能力はその者の努力でいくらでも変えようがあるからだ。


だから、雪菜がどんな生まれ育ちでも私は構わない。ただ、彼女が側にいてくれたら毎日がどれだけ楽しくなるだろうか。きっと笑い声が絶えない家となるだろう。


私は、いつの間にか彼女が自分の人生の一部に組み込まれることに何の違和感なしに感じていた。


(近いうちに日本へ行かねば……そのためには多少カイ王子に協力いただくとしましょうか)