ぶぎゅむ、と不可解な感触がして背中に重みを感じた。
「ワオン!」
……わおん?
意味不明な何かの鳴き声を聞きながら、重みに耐えかね体が崩れ落ちる。背中にずっしりと乗る何かの圧迫感に押し潰され、そのまま意識が遠退いていった。
ぱしゃん、と何かが跳ねる音を聞いた。
その音を認識した瞬間、意識が急に覚醒する。暗い視界は瞼を閉じているからだ、と理解して重い瞼を開く。
ゆっくりと明るさを取り戻した視界に入ってきたのは、一面の淡いブルーだった。
(……ここはいったい……)
頭がずきずきして未だ目の奥が動くような気持ち悪さを感じる。額を押さえるために手をやれば、そこに濡れた何かを感じてつまみ上げれば。どうやら濡れタオルが当ててあったようだ。
しばらくぼんやりした頭で現状を把握するために周りを観察する。
私が横たわっているのは木製のベッド。栗色のベッドサイドがついたこじんまりした造りだ。ベッドカバーとシーツはシンプルな水色ストライプ。
カーペットは深い青色。カーテンは淡いグリーンのドット柄で壁紙もブルーが使われてる。対して調度品は柔らかい色調のパステルカラーが使われ、住む人間のイメージをわかりにくくさせている。 しかし、おそらく年若い女性が部屋の主だと解析できた。
(私は……倒れたのか)
周囲の観察を終えた私は記憶を辿り、最後の場面を再生してため息をつく。どうやら見知らぬ誰かに助けられたらしい。
(まったくもって不甲斐ない。これではカイ殿下に申し訳がたたないではないか)
自己管理がなってない己の甘さに腹立ちながら、さっさと出るために上半身を起こした時だった。ガチャリとドアが開いたのは。
そして、すっとんきょうな声が響いた。



