おそらく距離にして100mは離れていただろう。だが、初めてこういった死を間近に見た。
(これも……くだらない政争のためか)
スナイパーが撃たれ安全が確保された直後、空気を裂いたのはヘリコプターのローター音。
災害救助にも使用される大型のヘリよりロープを使い降下したのは、武装した陸軍のレンジャー部隊。おそらくアルベルトの連絡を受けて出動したのだろう。
特殊部隊の投入という大事になってしまったのは申し訳ないが、子ども達の安全を考えればやむを得ないだろう。唯一の交通網である道路は落石で封じられ、おそらく連中が張っている。私たちも無事に通り抜けられるとは限らない。
これ以上タヌキの陰謀に無関係な一般人を巻き込ませないためにも。明日、きっちりと決着を着ける。
ヘリから離れゆく施設を眺めながら、改めてそう決意を固めた。



