Schneehase~雪うさぎ 身代わり王子にご用心番外編





『食前酒はゴンザレス・ビアス·ペドロ・ヒメネス·ノエで』


私が迷いなくオーダーするとバーク卿はほう、という顔になったが、特に何も言わずグラスを持ち上げ満たされた液体を眺める。


『ふむ』


手慣れた様子でシェリー酒を楽しむバーク卿は、やはりこういった大衆的なお酒をたしなみ慣れているようだ。


ゴンザレス・ビアス·ペドロ・ヒメネス·ノエ は30年の年月をかけて熟成されたとても甘口のシェリー。香りも飲み口も濃厚で、デザートワインにも適している。


日本のようにシェリー=食前酒という認識だから選んだわけではない。ヴァルヌスの国情やバーク卿の出身や趣味、これから続けたい関係の示唆。メニューに合わせた上で、様々な要素を考慮に入れての選択。


バーク卿も特に気には障らなかったようで、ゆったりとリラックスした様子で楽しんでいる。


ゴンザレス・ビアス·ペドロ・ヒメネス·ノエ をきっかけに、シェリー酒についての雑談が始まり、銘柄や好み等の軽い会話が続いた後に前菜が出てきた。