「かなり厳しい条件でしょうが、あなたが決めたことですもの。わたくしはあなたの選択を信じます」
やはり、母上は一も二もなく無条件で賛成をして下さった。
それだけでひとつの大きな肩の荷を下ろしたように、体と心が軽くなる。
「ありがとうございます。母上のご期待に沿えるよう努力します」
「そんなに肩肘張らなくていいわ。家族なんですもの、せめてプライベートで一緒にいる時位は甘えていいのよ?」
10年の隙間を埋めるのに、少し堅苦し過ぎたか、と反省。
距離感がわからなくてついつい、馬鹿丁寧な対応をしてしまう。
「すみません……どうも私はこういうのは不得手なようで」
「あなたはいつもそうね。懐にいる人間には、距離感がわからなくてぶきっちょな対応をしてしまう」
「う……はい」
桃花への態度も母上のご指摘そのものなのだから、始末に終えなかった。
そんな私を見てクスクスと笑う母上は、悪戯っ子のような笑顔でしてやったりと言いたげに見える。
「きっと、彼女へも思った通りに振る舞えなかったでしょう?声をかけるのも一苦労したはずね」
「……はい」
観念して項垂れれば、母上は顔を上げてと私におっしゃった。
「ぶきっちょなカイ。わたくしはそんなあなただから、応援したいの。あなたが見てきてそこまで決意させる女性なら、きっと将来の王妃の素質があるのでしょう。宮廷でわたくしが出来ることは少ないけれど、あなたの決断を支持するわ」



