いくらでも桃花を愛でたいが、やはり人間限界がある。過密なスケジュールをこなした後に、徹夜で彼女を可愛がりすぎた。疲れで意識が睡魔にさらわれるのも仕方ない。
桃花を自分の胸の中に閉じ込めながら、決して離すまいと抱き寄せ眠りにつく。彼女が目覚めたらすぐに、また――そう思ったのに。思ったよりも疲れていたらしく、次に起きた時には昼をとうに過ぎていた。
くう、とかわいらしい音で目が覚める。何かとまぶたを開けば、目の前に真っ赤な桃花の顔。
私から逃れようと様々な努力をしたあとがみえたが、両腕でがっちりと抱きしめているから無理だったろう。
「腹、空いたか?」
「う……あっ……そ、その」
やはり桃花も女性らしく、好きな男の前では「お腹がすいた」と言いにくいみたいだ。
好きな男の、という点でこちらまで恥ずかしくなって、柄にもなく照れてしまう。顔が赤くなるなよと願いながら、クスッと小さく笑う。
「昨夜からずっと運動しっぱなしだったからな。しっかり食べて体力を養っておけよ?」
私が鼻先をつつくと、きょとんとした顔で「えっ……え?」と目を瞬かせているが。
私は彼女の耳元に唇を寄せ、耳たぶを弄りながらささやく。
「決まってる。昼が済んだら、今度は私が桃花を味わう番だ。今夜も寝かせてやらないから、覚悟をしておけよ」
「!」
ぼっ! と湯気が立ちそうなほどに真っ赤になった彼女が可愛くて、昼食のデリバリーサービスをオーダーする最中も、あちこちイタズラをしてやったら桃花に涙目でにらまれたが。余計にこちらが煽られるだけだ。



