ゆっくり目を開けた。


頬には水が一線引かれていた。


「.....夢....か....。」


ボーッとしながら体を起こした。


まだ少しふわふわしている。


いい匂いがした。


母さんの匂い........?


「さ、沢谷くん.....?」


我に還ったように肩を揺らす。


バッと後ろに向くと、少し驚いた顔が可愛い生徒会長が立っていた。


「あ、その、すいません.....!泣いてたことは誰にも言いませんので....!失礼します!」


去ろうとする生徒会長の手をぎゅっと握りしめる。


「いい。ここにいて。」


なぜか生徒会長が側にいると、自然になれる。


「....沢谷くん...」


腕で顔を覆い、涙を隠す。


「ごめんね......ちょっとだけ側にいて....。」


「......私が側にいます。大丈夫ですよ.....。」


生徒会長の言葉が俺の心に響く。


父さん、母さん。


今日だけは泣いていいかな.....?