神田幸、高校３年生。


季節、春。


今日の天気は少し雲のかかった晴れ。


新しい生活を切り開くにはいい天気だと思う。


「友達できるかな.....」


あんまり自分を主張しない性格だったためクラスが変わるのは未だになれない。


成績はトップで入って、クラスは一番いいクラス。


充実する日々を掴み温厚な生活を過ごしたい。


そのためには、やはり"友達"が必要だ。


人見知りを克服するには絶好のチャンス！


頑張って話しかけてみよう。


教室は騒がしく、皆はもう友達を作り始めていた。


とりあえず、席につき後ろを振り返る。


幸運なことに後ろの席は女の子だった。


「よ、よろしく！私、神田幸！」


後ろの女の子は優しく笑いかけてくれた。


「よろしく、私は由和　紀実！紀実でいいよ♪」


優しそうで話しかけやすい女の子で良かったと思った。


紀実とは話も合って、仲良しだった。


そんなある日、紀実に恋愛相談をされた。


「へぇ、大樹くんのこと好きなんだぁ。かっこいいもんね！」


紀実は隣の席の田仲　大樹に恋をした。


私はお似合いの二人だと思っていた。


よく話してたし、相性もバッチリ。


私は心の底から紀実を応援した。


「でね、幸にちょっと頼みたいことがあるんだけど.....」


紀実は少しモジモジしながら言った。