「うふふ、でね、副会長の熊田くんがね!」


生徒会長はいつも生徒会室で起こっている面白おかしい話を淡々と話してくれる。


俺はそれに笑いながら生徒会長の話を聞く。


さっきから副会長の熊田という男の話が多い気がする。


気になるなぁ。


胸がチクチクする。


「それで最近、書記の三樹ちゃんが転校しっちゃって....。だから、熊田くんと相談して近々、書記の募集することにしたんだぁ!」


ん?書記の募集?


これって...チャンスじゃね?


「私....書記に立候補する!」


「本当に!?わぁ!すごく嬉しいよ!」


生徒会長は俺の手をぎゅっと握った。


「熊田くんにも言っておくね!」


熊田か....。


こいつは目をつけといた方が良さそうだし、一石二鳥だな。


「これで書記の募集しなくて済むし、仕事が楽になったよ!ありがとう!」


生徒会長が喜んでる...。


くそぉー、素直に嬉しいぜ!


これからいつでもそばにいれる!


....あれ?ちょっと待てよ....。


この話って"俺"に向けてじゃなくて"私"に向けてだよな....?



その時、


キーンコーンカーンコーン....


チャイムが鳴った。