「ったく、あいつら礼儀ってもんを知らねぇのか?!」


俺が一発言ってから、男どもは生徒会長のところに走っていったらしい。


「かっこぅい~」


教室の奥にいたはずの海斗がいつの間にか横に立っていた。


「お前なぁ...まぁ、いいや.......。
疲れた。俺、一限目サボるわ。
海斗、お前もサボるだろ?」


「へいへーい」


海斗は当然のように返事して俺たちは再び屋上に向かった。


屋上から見える景色はグラウンドから見える景色とは格段に違う。


澄みわたる空。


山にかかる雲。


肌をつきさす太陽。


左を見れば海。


右を見れば山。


上を見れば空。


下を見れば青春。


そんな全部を見ることができる屋上は俺の最も落ち着く場所かもしれない。


家に帰っても......誰もおかえりなんて言ってくれない。


こんな年になってもやっぱ一人は寂しい。


静かで暗い部屋。


だから、学校が楽しくて仕方ない。


本当に......学校が楽しいんだ。