(「ご家族の方は皆さん反対していたようじゃない? それを、清人さんは律儀というか、目が合ったって、たったそれだけで拾い、育てていたんでしょう? 清人さんもお人好しよね」)
(「でも、酷いわよねぇあの子。恩を仇で返すなんて」)
(「ちょっと、もうそれぐらいにしておいた方がいいわ。でないと、あの子に呪い殺されてしまうわよ?」)
――呪い殺す。
本来ならそんなことは不可能に近い。
だけど、わたしならそれも、あながちできないこともないかもしれない。
陰口に思わず自嘲(ジチョウ)してしまう。
わたしの陰口と、突き刺すような視線は今にはじまったことじゃない。
これは5歳頃から絶えずあったモノだった。
それは、黒とは決して言い難い灰色に近い髪の色と、日に当たらないためにできた真っ白い日焼け知らずの肌を持つ、人間離れした容姿。
そして、常人にはない体質が関係しているからだ。



