6月28日。
 その日は梅雨時にもかかわらず嫌味なほど晴れていた。
 火葬場から天へと昇る煙を見つめ、私は一時間程前に別れを告げた人を思い出した。

 本橋真己(もとはし まさき)。
 私の幼馴染みで、家族のような存在でもあった彼は、一言で言えば面倒見のいい人。言葉は少ないけど、人のことを思いやれる優しい人だ。側にいると、暖かく穏やかな気持ちにさせる雰囲気も持っていた。

 
 享年21歳だった。