「……ちょっ!」


そう言った瞬間、ぐいっと引っ張られ


「お、おろして!何考えてるのよ!」


思いっきり担がれてしまった。

ふわりと浮いたからだはしっかり固定されて、いつもより床が遠く見える。


「歩く、自分で歩けるから!」

「黙ってろ。」

有無を言わせない声音に黙ってしまう私も私だ。

私たちが去った教室からは女子達の悲鳴。

廊下にいる帰ろうとしている人々は、足を止めて唖然と私たちを見ている。