「あー、じゃあ、これ渡してくれます?
昨日返し忘れちゃったので。」
紙袋に入れたパーカーをずいっと突き出すと目をパチパチした茶髪さんは受け取って中身を覗いた。
「あーら、本気なのね…」
そういってくつくつ笑う茶髪さんに首を傾げると、なんでもないよ、とはぐらかされてしまった。
「俺、川瀬雪。
これは渡しておくよ、ゆかりちゃん。」
「あ、副長…とかいう?
あ、よろしくです。」
にこやかな仮面の裏側には、なんとなく一線を引かれてるような変な感じ。
…なんというか、あれはあれで怖い人だ。
そう思いながら踵を返したのだった。


