でも。
「なんで知ってるの?」
彼ら以外にあの道路を使った人は見なかった。
きっと手回ししてるのだろうな、と思っていたし。
「…見たから、車の中から。」
だから、言ってる意味がわからなかった。
「名前、もう一回。」
「蒼井明日翔、だ。」
そう答える明日翔の声は、私の記憶の箱を引き出した。
「天翔、の総長…?」
そうだ…蒼井サンだ。
百合がいってたのはこの人のことだったのだ。
「そうだ。俺が総長だ。」
やっとわかったか、とでもいいたげな声音に、私は笑いながらいった。
「…明日翔、蒼井サンだったのか。
織田信長じゃん!すごいじゃん!」
「…は?」
意味がわからないと言ったような顔をする明日翔は、なんだか拍子抜けしたような顔をしている。


