明日を翔ける〜天翔〜




「…蒼井明日翔。俺の名前だ。」


風が強く、吹いた気がした。


まっすぐ前を向いている蒼井…君の無造作な、ふわふわの髪がなびいている。


「えーーーっと、なんか聞き覚えあるな……」

なんだっけ…

蒼井…明日翔…


「んーーー……ま、いっか。
寒…蒼井…さん?戻ります?風邪引きますよ」


思い出せないものは仕方が無い。


ぼけっとした顔で私を見る彼に首を傾げると、ため息をついて立ち上がった。


「同い年だから…好きに呼べよ。」


「あ、え、そか、同い年か…。
えー、蒼井君?とか?」

歩き出した蒼井君の後を追いながらそう聞くと、いきなり立ち止まって眉を潜めた。


「…アレ。」


「やっぱ明日翔、でいい。」


「はぁ…。」

なんでもいいんじゃなかったのかよ。

「じゃあな、ゆかり。」

そういって蒼井君改めて明日翔は足早に消えていったのだったーーー。


「私、学年いったっけ?」


小さな疑問を残して。