「ゆかり、一言。」

「えぇ!

…わかった、わかったから睨むな!」

明日翔の突然の要求に、私はため息をつきつつ口を開いた。


「えーと、みなさん今までありがとう。

私はここにきて、大切なものを見つけたの。
だから私は、すごく幸せだし、大切なあなた達のことは絶対忘れない。


ハルさんや光さん、そして明日翔が築き上げてきたものを、守り、育てていってください。

本当にありがとう。」


型通りの挨拶っぽくなってしまったけど、全て私の本音だ。


あたたかい拍手とともに男泣きしてくれる人もいて、なんだか嬉しい。



そうして私たちは、たくさんのものをくれた天翔を、卒業したーーー。