明日を翔ける〜天翔〜



「それと…由衣夏の事だ。」

あぁ。

それなら。

「入院中に、部屋に来たわよ。」

「あ?…何言われた。」

目が覚めてすぐくらいに、金髪の少女が部屋に現れたのだ。


『ごめんなさい。
あの日、チョコレートを渡す時、勇気をくれてすごく嬉しかったのに。

もう後戻りできなかった。
アスカが欲しかった。
…人の心なんて、そう簡単に変わらないのに。』


またアスカか、と思ったし、いっている意味が全くわからなかった。


でも今なら。


「あの子はいい子だよね。
もう大丈夫だよ、許してあげて。」


きっとあの子は強くなったはずだ。


「ゆかりがそういうなら、いい。」


明日翔はそれだけ言うと、上まで上げられた細く真っ黒なネクタイを緩くした。