「ありえねぇ、本当にありえねぇ。」
「いやさ。事件の日が誕生日なんです、なんていったらアスカがもっと落ち込むかなって。ね?」
車に乗り込んだ私は、隣の男に攻められ続けていた。
「もっと前に言えよ。」
「自分から言うのは抵抗が、ね。」
大体。
「アスカの誕生日いつなのよ。」
「……ぅ。」
「え?聞こえない。」
「今日。」
今日ってーーー。
3月14日。
「ホワイトデー…。
ってか、アスカだって自分から言わなかったじゃんか。」
なんの示し合わせだろうか。
「すごいねなんか、バレンタインとホワイトデーなんて。
…ってか私のが年上じゃん。」
3月生まれがここまで似合わない人がいるだろうか、と下世話なことを考えつつ、少しだけ優越感に浸る。
「1ヶ月だけだろ、かわんねぇ。
…し、俺はお前を年上に見えたことは一度もねぇぞ。」
「…私も年下に見えたことなんてないけどさ。」


