明日を翔ける〜天翔〜



なぜか、涙がこぼれた。

拭っても拭っても、ぽろぽろと落ちてくるのだ。

今だに、なんにも思い出せない。

ここに遊びに来てくれた誰一人、私の記憶には無い人だった。


きっと、私にとって大切な人だったはずなのに。


だって、あんなにぽっかりしていた胸が、今はこんなに暖かい。

だから、悔しくて仕方が無いのだ。

覚えてないことで、皆を悲しませていることがーーー。


「泣くな。」

「わた、し、っだってっ、泣きたくっないわよっ…っ…」


アスカは泣きじゃくる私の頭をぽんぽんとなでた。


その優しさと、懐かしさに、さらに涙がこぼれる。


「アスカ…」