待ってーーー。 変な焦りが、胸の中に生まれる。 とにかく、とにかく。 「アスカ。」 そんな顔はみたくない。 私の呼びかけに、ぴくり、とアスカは足を止めた。 「何も覚えてないのに。 私の胸にあったさみしさとか、そういうのがなくなってるんだ。 …父の指輪を持ってるの、あなたでしょう。」 なんでかわからないけど、そう確信した。 私の言葉に弾かれたように顔を上げたアスカは、少しだけ振り向いた。 「…またな、ゆかり。」 少しほほえんで去っていったアスカに、私はそっと目を伏せた。