明日を翔ける〜天翔〜




「えーーーっと…人違いじゃないですかね。」


誰一人、記憶にある顔が無いのだ。


そもそも、私にこんなに知り合いがいるなんてありえないし。


しかも平均して美男美女(女の子1人だけど)なんて、どっかのゆかりと間違えていること間違いなしだ。


「ゆかり……、何いってんだよ。」


ふわふわの黒髪に長身の涼しげな瞳をした男が、私の顔を覗き込んだ。


「…痛そう。」


そんな男の顔は、小さな傷が幾つもできていて痛々しい。


綺麗な顔なのに。


私のその言葉に、もっと辛そうな顔をした男は、私の手をそっととった。